日本の世界遺産
こちらでは、日本の世界遺産に関する情報をまとめています。
現在、日本国内では文化遺産16件と、自然遺産4件の、合計20件が登録されています。
国内旅行の目的地が定まらないというときには、国内の世界遺産を巡る旅などいかがでしょうか。
日本の世界遺産 目次
- □文化遺産 16件 ( )内は都道府県
- 法隆寺地域の仏教建造物 (奈良)
- 姫路城 (兵庫)
- 古都京都の文化財 (京都・滋賀)
- 白川郷・五箇山の合掌造り集落 (岐阜・富山)
- 原爆ドーム (広島)
- 厳島神社 (広島)
- 古都奈良の文化財 (奈良)
- 日光の社寺 (栃木)
- 琉球王国のグスク及び関連遺産群 (沖縄)
- 紀伊山地の霊場と参詣道 (和歌山・奈良・三重)
- 石見銀山遺跡とその文化的景観 (島根)
- 平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群 (岩手)
- 富士山―信仰の対象と芸術の源泉 (静岡・山梨)
- 富岡製糸場と絹産業遺産群 (群馬)
- 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡)
- ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-(東京)
- □自然遺産 4件 ( )内は都道府県
- 屋久島 (鹿児島)
- 白神山地 (青森・秋田)
- 知床 (北海道)
- 小笠原諸島 (東京)
法隆寺地域の仏教建造物 (奈良)
●概要
● 法隆寺地域の仏教建造物 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | ほうりゅうじちいきのぶっきょうけんぞうぶつ | |
地域 | 奈良県生駒郡斑鳩町所在の法隆寺および法起寺の建造物 | |
英語名 | Buddhist Monuments in the Horyu-ji Area | |
フランス語名 | Monuments bouddhiques de la region d'Horyu-ji | |
登録時期 | 1993年 | |
件数・区分・基準 | 日本で1〜4件目 文化遺産(1),(2),(4),(6) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
法隆寺は境内の広さが約18万7千平方メートルあり、西院伽藍は現存する世界最古の木造建築物群として知られている。
法隆寺は「日本仏教興隆の祖である聖徳太子が創建した寺院である」とするのが、一般的・常識的理解であるが、
確実にそうだとは言い切れないようである。
聖徳太子は謎の多い人物であり、20世紀末頃からは「聖徳太子は実在しなかった」とする言説が盛んになっており、
これには反論も出されている。
最も古い木造建築物ではあるものの、実際は幾度の火災に見舞われているため、全ての建物が当時のまま、というわけではない。
しかし国宝を含む貴重な文化財が多数納められており、奈良を代表する観光地の1つでもあるので一見の価値はある。
法隆寺は、日本で最も国宝が多いといわれる。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの
(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
具体的には、
(1) 法隆寺の建造物群が、木造建築としての構造・配置両観点から傑作である。
(2) 同建造物群が仏教伝来直後の仏教建築物で、日本の宗教建築に深い影響を及ぼした。
(4) 同建築物群は、中国文化への順応、日本の寺院建築の配置、および、結果的に日本独特の様式を確立した代表的な例である。
(6) 日本への仏教の流入、および聖徳太子の仏教奨励が、同地域への仏教の浸透に際立った特徴を示している。
姫路城 (兵庫)
●概要
● 姫路城 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | ひめじじょう | |
地域 | 兵庫県姫路市 | |
英語名 | Himeji-jo | |
フランス語名 | Himeji-jo | |
登録時期 | 1998年12月2日京都市開催のユネスコ世界遺産委員会 | |
件数・区分・基準 | 日本で1〜4件目 文化遺産(1),(4) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
日本には城は数あれど、世界遺産に登録されている城は極めて数少なく、姫路城は城の中の城といえる。
江戸時代初期に建てられた天守や櫓等の主要建築物が現存しており、白露城とよばれる城自体の美しさも評価が高い。
城を歩いてみると感じるが、侍や忍者がうろうろしていても違和感がないほどで、ドラマ等のロケでも使われることが多い。
総合的な評価の高さは姫路城だけが単独で世界遺産に登録されている事からも伺える。
城が好きであるならば、姫路城だけは必ず見ておくべき。
天守だけ、堀だけ、という事もなく、いかにも城、という雰囲気が楽しめる。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
古都京都の文化財 (京都・滋賀)
●概要
● 古都京都の文化財 ● | 構成資産 | |
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読み | こときょうとのぶんかざい | |
地域 | 京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市に存在する対象となる複数の寺院等 | |
英語名 | Historic Monuments of Ancient Kyoto | |
フランス語名 | Monuments historiques de l'ancienne Kyoto | |
登録時期 | 1994年 | |
件数・区分・基準 | 日本で5件目 文化遺産(2),(4) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
「そうだ 京都、行こう」というのは、東海旅客鉄道(JR東海)が1993年から展開している京都観光キャンペーンの
主たるキャッチコピーであるらしく、関東地方でもよく見かけるらしいが、関西地域でこの文面を見かけることはまずない。
それは関西地域に住む人にとって、言うまでもなく、誰かに言われるまでもなく、
京都が一大観光地であることを皆が知っており、今も昔も京都が観光の候補地になり続けているからに他ならない。
日本全国を旅していると分かるが、京都は日本で唯一無二の観光都市である。
例えば市内を適当にアテもなく自転車でウロウロしているだけで、世界遺産であったり国宝であったり、
貴重な史跡にぶつかるのである。このような体験ができるのは他に奈良くらいだろう。
世界遺産に登録されている遺産のみならず、京都には多くの観光地がある。
是非それを、じっくり時間をかけて見ていただきたい。とても1週間くらいでは見切れないから。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
具体的には、
(2) 京都は8世紀から17世紀の間、宗教・非宗教建築と庭園設計の進化にとって主要中心地であった。
そのように、京都は日本の文化的伝統の創出において決定的な役割を果たし、特に庭園の場合において、
それは19世紀以降世界の他の地域において意義深い影響を与えた。
(4) 京都の現存文化財における建築と庭園設計の集積は前近代における日本の物質文化のこの側面に関する最高の表現である。
白川郷・五箇山の合掌造り集落 (岐阜・富山)
●概要
● 白川郷・五箇山の合掌造り集落 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | しらかわごう・ごかやまのがっしょうづくりしゅうらく | |
地域 | 岐阜県大野郡白川村と富山県南砺市にある合掌造りの集落群 | |
英語名 | Historic Villages of Shirakawa-go and Gokayama | |
フランス語名 | Villages historiques de Shirakawa-go et Gokayama | |
登録時期 | 1995年12月9日 | |
件数・区分・基準 | 日本で6件目 文化遺産(4),(5) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
馴染みのない人が、「岐阜」と聞いてイメージするのは、おそらくまずこの白川郷の合掌造り集落ではないだろうか。
しかし残念ながら五箇山の方は白川郷ほどの知名度がなく、富山県にあることすら気が付いていない人がいるのは悲しい話である。
白川郷は若干規模が大きく観光地化が進んでいるのに対し、
五箇山は白川郷ほどの件数がなく、今もささやかに地元の生活が営まれているという。
同じ合掌造りの集落群ではあるが、白川郷だけでなく五箇山もあるということを忘れたくないものである。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。
もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
原爆ドーム (広島)
●概要
● 原爆ドーム ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | げんばくドーム | |
地域 | 広島県広島市中区大手町1丁目10 | |
英語名 | Hiroshima Peace Memorial (Genbaku Dome) | |
フランス語名 | Memorial de la paix d'Hiroshima (Dome de Genbaku) | |
登録時期 | 1996年12月メキシコのメリダ市で開催された世界遺産委員会会合 | |
件数・区分・基準 | 日本で7〜8件目 文化遺産(6) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | 負の遺産 ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
“二度と同じような悲劇が起こらないように”との戒めや願いをこめて、負の世界遺産とも呼ばれる。
世界唯一の被爆国・日本に生まれ、反戦教育を受けてきたのなら、一度はここを見るべきではないかと思う遺産である。
360度ぐるっと見て回ることができるので、一度ひとまわりして見て欲しい。
世界的な知名度が高いこともあり、外国人観光客も多い。
そして原爆ドームを訪れたのなら、すぐ近くにある平和記念公園や、平和記念資料館にも是非訪れたい。
これらは1セットで観光してこそ意味があるのではないかとすら思う。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの
(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
厳島神社 (広島)
●概要
● 厳島神社 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | いつくしまじんじゃ | |
地域 | 広島県廿日市市の厳島(宮島)にある神社 | |
英語名 | Itsukushima Shinto Shrine | |
フランス語名 | Sanctuaire shinto d'Itsukushima | |
登録時期 | 1996年 | |
件数・区分・基準 | 日本で9件目 文化遺産(1),(2),(4),(6) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
厳島に向かうにはフェリーに乗る必要があるが、利用客が多いため、混雑はするものの快適な乗り降りが可能である。
大きな見所は大鳥居と厳島神社だが、潮の満ち引きによって景色が変わるため、
じっくり見る場合は厳島で1泊したほうがゆったりできるかもしれない。
また厳島の名物は杓子ともみじ饅頭であり、特にもみじ饅頭は専門店や名物店が数多くあり、
ここでしか手に入らないもみじ饅頭もあるので、好きな人は調査の上で訪れると良いだろう。
広島名物の牡蠣もそうだが、焼きたてをそのままいただけるのは広島や厳島を訪れた者の特権かもしれない。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(1) 人類の創造的天才の傑作を表現するもの。
(2) ある期間を通じて、または、ある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、町並み計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する、ある形式の建造物、建築物群、技術の集積、または景観の顕著な例。
(6) 顕著な普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰、または、芸術的、文学的作品と、直接に、
または、明白に関連するもの。
古都奈良の文化財 (奈良)
●概要
● 古都奈良の文化財 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | ことならのぶんかざい | |
地域 | 奈良県奈良市地域に存在する寺院等 | |
英語名 | Historic Monuments of Ancient Nara | |
フランス語名 | Monuments historiques de l'ancienne Nara | |
登録時期 | 1998年12月2日京都市開催のユネスコ世界遺産委員会 | |
件数・区分・基準 | 日本で9件目 文化遺産(2),(3),(4),(6) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
知名度や交通アクセス、見ごたえやボリュームなどで、つい京都にいいところを持って行かれがちであるが、
奈良は京都以上に古くから栄えた古都である。
国宝や文化遺産も特に多く、京都ほどの発展は無いものの、良い意味でのんびりした観光ができる。
ただ関西地域以遠の人からすれば、抜群にアクセスのよい京都にどうしても人が集中してしまい、
一旦京都や大阪を経由しないと行きにくい奈良は、この点で大きく不利と言える。
奈良人の控えめな県民性もあって、観光地の呼び込みには多少苦労しているかもしれない。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、
景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、
直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
具体的には、
(2) 古都奈良の文化財は日本建築と日本美術の進化のひときわ優れた証拠性を有しており、
それらは中国と朝鮮との文化的つながりの結果であり後世の発展に重要な影響を与えることになった。
(3) 奈良の建築遺産は、奈良が首都であった時代に開花した日本文化の唯一の証左である。
(4) 奈良における皇室宮殿の配置と現存文化財の設計は、初期アジアの首都群の建築と都市設計に関するきわだった例である。
(6) 奈良の仏教寺院と神社は、ひときわ優れた形で宗教の連続的な力と影響を証明する。
日光の社寺 (栃木)
●概要
● 日光の社寺 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | にっこうのしゃじ |
※103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)の「建造物群」と、 |
地域 | 栃木県日光市に存在する寺院等 | |
英語名 | Shrines and Temples of Nikko | |
フランス語名 | Sanctuaires et temples de Nikko | |
登録時期 | 1999年12月2日モロッコのマラケシュ開催の ユネスコ世界遺産委員会 |
|
件数・区分・基準 | 日本で10件目 文化遺産(1),(4),(6) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | 「日光山内(にっこうさんない)」または 「二社一寺(にしゃいちじ)」とも称される ※構成資産のリンクは、公式サイト 及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
「日光の社寺」というよりは「日光東照宮」としての方が知名度が高いと思われる。
首都圏から最も近い距離にある世界遺産ということで、訪れる人はいつも多く、
紅葉の時期になると発生する車の渋滞は、もはや風物詩の1つだとする意見もあるほど。
世界遺産としての魅力は、他の遺産も負けず劣らずではあるのだが、人口集中地域の首都圏に近いという理由だけで、
これほどの観光客を集められるというのは、日光の大きな強みであろうか。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの
(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
琉球王国のグスク及び関連遺産群 (沖縄)
●概要
● 琉球王国のグスク及び関連遺産群 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | りゅうきゅうおうこくのグスクおよびかんれんいさんぐん | |
地域 | 沖縄本島の主に南部 | |
英語名 | Gusuku Sites and Related Properties of the Kingdom of Ryukyu |
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フランス語名 | Sites Gusuku et biens associes du royaume des Ryukyu | |
登録時期 | 2000年 | |
件数・区分・基準 | 日本で11件目 文化遺産(2),(3),(4) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト 及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
沖縄は日本であって日本でない、異国情緒あふれる地域である。
気候も文化も日本の本土とは異なり、日本にいながらにして異文化に触れられる気さえする。
日本国内の中では観光地としても、長期滞在先としても抜群の人気がある沖縄には、旅行好きなら一度は訪れるべき場所であろう。
そしてこの地を訪れたのなら、かつての悲しい歴史がここに刻まれていること、そして今でも米軍の基地提供地として、
本来日本全体の問題であるはずのところを、沖縄が肩代わりしてくれているという事実を、目を背けず見ていただきたい。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの
(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
紀伊山地の霊場と参詣道 (和歌山・奈良・三重)
●概要
● 紀伊山地の霊場と参詣道 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | きいさんちのれいじょうとさんけいみち | |
地域 | 和歌山県・奈良県・三重県にまたがる3つの霊場と参詣道 (熊野参詣道、大峯奥駈道、高野山町石道) |
|
英語名 | Sacred Sites and Pilgrimage Routes in the Kii Mountain Range | |
フランス語名 | Sites sacres et chemins de pelerinage dans les monts Kii | |
登録時期 | 2004年 | |
件数・区分・基準 | 日本で12件目 文化遺産(2),(3),(4),(6) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
場所的にもなかなか訪れる機会が少ない世界遺産の1つ。
だが決して観光客が少ないというわけではない。
自然が含まれる遺産の宿命かもしれないが、参道の樹木などの落書きや、周辺地域での損壊などの問題も抱えており、
またとある団体が無許可で木々の一部を伐採していたりなど、地域間の対立に遺産が巻き込まれるのは悲しい話である。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの
(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
具体的には、
(2) 紀伊山地の文化的景観を形成する記念碑と遺跡は神道と仏教のたぐいまれな融合であり、
東アジアにおける宗教文化の交流と発展を例証する。
(3) 紀伊山地の神社と仏教寺院は、それらに関連する宗教儀式とともに、
1000年以上にわたる日本の宗教文化の発展に関するひときわ優れた証拠性を有する。
(4) 紀伊山地は神社・寺院建築のたぐいまれな形式の創造の素地となり、
それらは日本の紀伊山地以外の寺院・神社建築に重要な影響を与えた。
(6) と同時に、紀伊山地の遺跡と森林景観は、過去1200年以上にわたる聖山の持続的で
並外れて記録に残されている伝統を反映している。
石見銀山遺跡とその文化的景観 (島根)
●概要
● 石見銀山遺跡とその文化的景観 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | いわみぎんざんとそのぶんかてきけいかん | |
地域 | 島根県大田市 | |
英語名 | Iwami Ginzan Silver Mine and its Cultural Landscape | |
フランス語名 | Mine d'argent de Iwami Ginzan et son paysage culturel | |
登録時期 | 2007年 | |
件数・区分・基準 | 日本で14件目 文化遺産(2),(3),(5) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト 及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
「石見」を「いしみ」とつい呼んでしまっても恥ずかしいことではない。島根は日本で最も地名の漢字が分かりにくいとされている。
島根県は日本全国で地域ブランド力が弱い地域の1つなのだが、世界遺産があるのは大きなアドバンテージである。
だが時代と共に地域ブランドも確立されつつあるようで、観光客も決して少なくはない。
大きな地域対立も特になく、このタイプの観光地としては申し分なく楽しめると思われる。
石見銀山をじっくり見ようと思うと1日がかりになるので、できれば宿泊込みで訪れたい。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
(5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。
もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。
平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群 (岩手)
●概要
● 平泉−仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群 ● | 構成資産 | |
---|---|---|
読み | ひらいずみ−ぶっこくど(じょうど)をあらわすけんちく・ていえんおよびこうこがくてきいせきぐん | |
地域 | 岩手県南西部、現在の平泉町の中心部 | |
英語名 | Hiraizumi - Temples, Gardens and Archaeological Sites Representing the Buddhist Pure Land |
|
フランス語名 | Hiraizumi - Temples, jardins et sites archeologiques representant la Terre Pure bouddhiste | |
登録時期 | 1998年12月2日京都市開催のユネスコ世界遺産委員会 | |
件数・区分・基準 | 日本で15〜16件目 文化遺産(2),(6) | |
公式サイト | ユネスコ本部・平泉観光協会・岩手県公式 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
2011/03/11の東日本大震災の後に世界遺産登録され、風評被害等に悩まされ観光客の足も遠のいていた東北地方にとっては、
この世界遺産登録の吉報は、大いに復興の励みになったという。
近くに鉄道が通っているため、遺産までのアクセスも悪くなく、さらに首都圏からも比較的アクセスしやすいということもあって、
登録当初から順調に観光客数は伸びているようである。
ちなみにマルコ・ポーロの「東方見聞録」にある「黄金の国ジパング」というのは、実は平泉の中尊寺・金色堂のことであるとされている。
実際に当時の日本が黄金だらけだったはずがないのだが、それでも「黄金の国」とまで言ってしまうあたり、
当時から金色堂の輝きは見事なものであったということだろうか。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの
(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
富士山―信仰の対象と芸術の源泉 (静岡・山梨)
●概要
● 富士山―信仰の対象と芸術の源泉 ● | 構成資産 | |
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読み | ふじさん-しんこうのたいしょうとげいじゅつのげんせん |
|
地域 | 富士山域とその周辺 | |
英語名 | Fujisan, sacred place and source of artistic inspiration | |
フランス語名 | Fujisan, lieu sacre et source d'inspiration artistique | |
登録時期 | 2013年06月 | |
件数・区分・基準 | 文化遺産(3),(6) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、 公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
言わずと知れた日本一の山であり、外国人の知名度も極めて高い名峰が満を持して世界遺産に。
日本人ならば世界遺産登録を疑う者は誰一人いないのではないだろうか。
環境・衛生面が登録の課題になっていたが、自然遺産ではなく文化遺産として登録したのは裏技かもしれない。
文化面においては、日本では古来から富士に関する歌や絵、信仰が伺える資料は数多くある。
富士山が日本を代表する名峰であることから、各地に「富士」の付く地名が多数存在し、人名や企業名にも見受けられる。
富士山なくして日本の歴史と文化は語れないといっても、過言ではないかもしれない。
地質学上に見ても、富士山は世界的に珍しい独立峰である。
通常標高の高い山というのは連なっており、山脈を形成している場合が多い。ヒマラヤ山脈などがいい例だ。
大きな山が1つだけ聳えるからこそ、その美しさが一層際立つ。
また富士山はれっきとした活火山であり、過去何度も噴火を繰り返してきた。
現在は死火山だと教えられたケースもあるが、それは富士山の印象を悪くしてしまうからであり、
実際はいつ噴火してもおかしくない状態である。(もちろん噴火前の予兆はちゃんと観測できる)
とはいえ富士山は今も昔も日本の象徴であり、富士山と共に日本は歴史を刻んできた。
いかに天災に見舞われようが、誇り高い名峰の価値が揺らぐことはない。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
この基準は、富士山の荘厳な姿が古来富士信仰を発達させ、さまざまな芸術や自然と
調和的な文化的伝統を生み出したことを伝える例証である点などに適用された。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの
(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。
日本は当初、基準 (4) も挙げていたが、その適用は見送られた。
富岡製糸場と絹産業遺産群 (群馬)
●概要
● 富岡製糸場と絹産業遺産群 ● | 構成資産 | |
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読み | とみおかせいしじょうときぬさんぎょういさんぐん | |
地域 | 群馬県富岡市、伊勢崎市、藤岡市、下仁田町 | |
英語名 | Tomioka Silk Mill and Related Sites | |
フランス語名 | Filature de soie de Tomioka et sites associes | |
登録時期 | 2014年06月 | |
件数・区分・基準 | 文化遺産(2),(4) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
地域ブランド力が低いといわれてきた群馬県にあって、待望の世界遺産登録。
以前はほとんど観光客が来なかったらしいが、世界遺産登録が確実と言われた数年前から、来訪者が激増したそうだ。
特筆すべきは、遺産の保存状態がほぼ完全であり、世界遺産登録の際の資料も、
文化庁が「ここ数年の勧告ではパーフェクトに近い」と言うほどに高評価であったこと。
観光の際には是非ボランティアによるガイドを利用したい。
地元の人たちばかりなので、愛情をもって遺産を語ってくれる事だろう。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
この基準の適用理由について世界遺産委員会は、「富岡製糸場は、産業としての養蚕技術をフランスから日本に、
早い時期に、完全に移転することに成功したことを示している。地元での長年の養蚕の伝統を背景として
行われたこの技術移転は、養蚕の伝統自体を抜本的に刷新した。この結果富岡は、技術改良の拠点となり、
20 世紀初頭の世界の生糸市場における日本の役割を証するモデルとなった。このことは、
世界的に共有される養蚕法が、早い時期に現れたことの証拠となった」(文化庁訳)とした。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
こちらの基準の適用理由については、「富岡製糸場と絹産業遺産群は、生糸の大量生産のための一貫した集合体の
優れた見本である。設計段階から工場を大規模なものにしたことと、西洋の再良の技術を計画的に採用したことは、
日本と極東に産業の方法論が伝播する決定的な時期だったことを示している。19 世紀後半の大きな建築物群は、
和洋折衷という日本特有の産業建築洋式の出現を示す卓越した事例である」(文化庁訳)と説明された。
明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業(山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡)
●概要
● 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 ● | 構成資産 | |
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読み | めいじにほんのさんぎょうかくめいいさん |
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地域 | 群馬県富岡市、伊勢崎市、藤岡市、下仁田町 | |
英語名 | Sites of Japan’s Meiji Industrial Revolution: Iron and Steel, Shipbuilding and Coal Mining |
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フランス語名 | Sites de la revolution industrielle Meiji au Japon : siderurgie, construction navale et extraction houillere |
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登録時期 | 2015年07月 | |
件数・区分・基準 | 文化遺産(2),(4) | |
公式サイト | 明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業 |
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備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び 観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
山口・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島・岩手・静岡の8県に点在するのが特徴。
すべてを一度に見て回るのは困難であるため、何度かに分けて見に行くのがよい。
特に取り上げられるのは端島(通称「軍艦島」)。
名前が知られるのは萩や、長崎のグラバー住宅ではなかろうか。
西洋から非西洋世界への技術移転と日本の伝統文化を融合させ、
1850年代から1910年(幕末 - 明治時代)までに急速な発展をとげた
炭鉱、鉄鋼業、造船業に関する文化遺産であり、
稼働遺産を含む世界遺産は日本では初めてとなった。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
実際の登録では基準 (3) の適用は認められなかった
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、
人類の価値の重要な交流を示すもの。
この基準の適用理由について世界遺産委員会は、「富岡製糸場は、産業としての養蚕技術をフランスから日本に、
早い時期に、完全に移転することに成功したことを示している。地元での長年の養蚕の伝統を背景として
行われたこの技術移転は、養蚕の伝統自体を抜本的に刷新した。この結果富岡は、技術改良の拠点となり、
20 世紀初頭の世界の生糸市場における日本の役割を証するモデルとなった。このことは、
世界的に共有される養蚕法が、早い時期に現れたことの証拠となった」(文化庁訳)とした。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
こちらの基準の適用理由については、「富岡製糸場と絹産業遺産群は、生糸の大量生産のための一貫した集合体の
優れた見本である。設計段階から工場を大規模なものにしたことと、西洋の再良の技術を計画的に採用したことは、
日本と極東に産業の方法論が伝播する決定的な時期だったことを示している。19 世紀後半の大きな建築物群は、
和洋折衷という日本特有の産業建築洋式の出現を示す卓越した事例である」(文化庁訳)と説明された。
ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献-(東京)
●概要
● ル・コルビュジエの建築作品-近代建築運動への顕著な貢献- ● | 構成資産 | |
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読み | ル・コルビュジエのけんちくさくひん ―きんだいけんちくうんどうへのけんちょなこうけん― |
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地域 | 東京都台東区、他海外 | |
英語名 | The Architectural Work of Le Corbusier, an Outstanding Contribution to the Modern Movement | |
フランス語名 | L’cuvre architecturale de Le Corbusier, une contribution exceptionnelle au Mouvement Moderne | |
登録時期 | 2016年07月 | |
件数・区分・基準 | 文化遺産(1), (2), (6) | |
公式サイト | 英語 | |
備考 |
●観光情報
大陸をまたぐ初のトランスバウンダリーサイトとして登録された世界遺産。
日本では東京の国立西洋美術館のみで、他の遺産は海外にある。
過去2度の世界遺産が見送られた後、3度目にして初の東京23区内での世界遺産登録である。
日本が推薦した遺産ではなく、フランスが推薦し日本を含む数か国が協力する形がとられている。
近代建築の分野において多大な貢献があるル・コルビュジエの作品が登録されたという事であり、
日本独自の文化が単独で登録されている、というわけではないため、
「日本が誇る世界遺産」とは言えないかもしれない。
しかしながら「日本の世界遺産」というカテゴリーにおいては、この物件も含む扱いとなっている。
●登録基準
2009年の最初の推薦時には、推薦国はこの推薦資産が世界遺産登録基準のうち、
(1)、(2)、(6) に該当すると主張していた。
(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。 この基準は、ル・コルビュジエの創意がきわめて多方面にわたって発揮され、推薦物件が単なる形態や色彩などの独創性にとどまらず、20世紀における住宅問題や都市問題の解決策につながる先取性をも体現していることから、適用できるとされた。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。 この基準は、20世紀の建築と都市計画を刷新した「近代建築運動」(Mouvement moderne) に関連し、ル・コルビュジエの作品群がその誕生と発展の経緯を示していることから、適用できるとされた。
(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。 この基準は、20世紀の建築と都市計画に特徴的な近代建築運動、インターナショナル・スタイルといった運動や様式の進展に、ル・コルビュジエが大きく関わったことから適用できるとされた。
この推薦基準については、2度目の推薦でも変更はなかったが、「都市計画」が外れた分、
説明文には若干の修正が見られる。実際の登録でも、この3つの基準が適用された。
屋久島 (鹿児島)
●概要
● 屋久島 ● | 構成資産 | |
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読み | やくしま | |
地域 | 九州大隅半島の南南西約60kmの海上に位置する島 | |
英語名 | Yakushima | |
フランス語名 | Yakushima | |
登録時期 | 1993年12月11日 | |
件数・区分・基準 | 日本で1〜4件目 自然遺産(7),(9) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
面積504.88平方km。円形に近い五角形をしている島。
鹿児島県の島としては奄美大島に次いで2番目、日本全国では9番目の面積だという(北海道・本州・四国・九州を除く)。
豊かで美しい自然が残されており、島の中央部の宮之浦岳を含む屋久杉自生林や西部林道付近など、
島の面積の約21%にあたる107.47平方kmがユネスコの世界自然遺産に登録されている。
縄文杉などの屋久杉が自生するほか、日本最北端のガジュマル林がある。
島北部の永田浜は世界有数のアカウミガメの産卵地であり、ラムサール条約登録湿地となっている。
屋久島最大の「縄文杉」は特に有名で、推定樹齢6000年以上とも7200年ともいわれる。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(7) ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
(9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す
顕著な見本であるもの。
白神山地 (青森・秋田)
●概要
● 白神山地 ● | 構成資産 | |
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読み | しらかみさんち | |
地域 | 青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がる山地 | |
英語名 | Shirakami-Sanchi | |
フランス語名 | Shirakami-Sanchi | |
登録時期 | 1993年12月11日 | |
件数・区分・基準 | 日本で1〜4件目 自然遺産(9) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
青森県の南西部から秋田県北西部にかけて広がる山地で、人の手が加えられていないブナの原生林からなる地域。
昭和29年発行国土地理院地勢図には白神山地の名称が使われているが、
世界遺産登録以前には弘西山地(こうせいさんち)とも呼ばれていた。
白神山地には厳しい入場規制が設けられており、核心地域を外した周辺域に
白神山地の雰囲気を味わえる散策エリアが設けられている。
自然遺産として見所は多いのだが、広大な敷地内を自由に散策できるというわけではない。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す
顕著な見本であるもの。
知床 (北海道)
●概要
● 知床 ● | 構成資産 | |
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読み | しれとこ | |
地域 | 北海道の東端にあるオホーツク海に面した知床半島と、その沿岸海域 | |
英語名 | Shiretoko | |
フランス語名 | Shiretoko | |
登録時期 | 2005年7月17日 | |
件数・区分・基準 | 日本で13件目 自然遺産(9),(10) | |
公式サイト | ユネスコ本部 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
北海道の東端にあるオホーツク海に面した知床半島と、その沿岸海域が登録の対象となっている。
日本では、自然遺産として3件目の登録。
また、海岸線から約3km沖まで登録地域となり、日本で初めて海洋を含む自然遺産登録物件となった。
半島中央部は、千島火山帯が貫き、海岸線は荒く海に削られた地域である。冬には世界で最も南端に接岸する流氷が訪れる。
この流氷により大量のプランクトンが、サケなどの豊富な魚介類が生息する。
サケは秋に知床の河川を遡上し、ヒグマやオジロワシなどに捕食される。
これらの動物の排泄物および死骸は、植物の栄養素として陸地に還元される。
このような、海と陸との食物連鎖を見ることのできる貴重な自然環境が残る点が
国際自然保護連合(IUCN)に評価され、2005年に世界自然遺産の登録物件となった。
だが、観光客とヒグマとの接近、エゾシカやキタキツネなどへの餌付け行為などが問題視されている。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す
顕著な見本であるもの。
(10) 生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。
これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。
具体的には、
(9) 知床は海洋生態系と陸上生態系の相互作用を示す顕著な例である。
そのたぐいまれな生物生産は流氷の形成に大きな影響を受けている。
なお、知床は流氷が漂着する海岸としては、北半球で最南端に位置する。
(10) 知床はシマフクロウやシレトコスミレなどの絶滅危惧・固有の動植物が生育する地域であり、
またサケ類やトド、クジラ類などの海洋生物の生存にとって重要な海域を含む。
さらには、本地域は世界的にも絶滅の危機にある海鳥の生息地であり、渡り鳥にとって重要な場所でもある。
小笠原諸島 (東京)
●概要
● 小笠原諸島 ● | 構成資産 | |
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読み | おがさわらしょとう | |
地域 | 東京都特別区の南南東約1,000kmの太平洋上にある30余の島々 | |
英語名 | Ogasawara Islands | |
フランス語名 | Iles Ogasawara | |
登録時期 | 2011年 | |
件数・区分・基準 | 日本で15〜16件目 自然遺産(9) | |
公式サイト | ユネスコ本部・小笠原村 | |
備考 | ※構成資産のリンクは、公式サイト及び観光情報サイトに飛びます。 |
●観光情報
東京都特別区の南南東約1,000kmの太平洋上にある30余の島々。日本の国土で、東京都小笠原村の区域と完全に一致する。
総面積は104平方km。南鳥島、沖ノ鳥島を除いて伊豆・小笠原弧の一部をなす。
イメージし辛いが、区分的には東京都ということになる。
その離れている距離から、日本で一番遠い島とも呼ばれる。
長い歴史の中で、一度も他の島と陸続きになったことがなく、独自の生態系を持ち、
固有種も多いことから「東洋のガラパゴス」とも呼ばれている。
世界遺産登録による観光客増加から、貴重な自然を守るため、また生態系を崩さないため、
観光時にガイドを付けるなどの工夫を行い、この地に住む人々は小笠原を守ることに尽力している。
●登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。
(以下の基準は世界遺産センターからの翻訳、引用)。
(9) 陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す
顕著な見本であるもの。
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