地名の諺
世界に多数ある諺(ことわざ)のうち、地名が入ったものを集めてみました。
その地に魅力があるからこそ、このような諺が生まれた事は、想像に難くありません。
● すべての道はローマに通ず
目的までの手段や方法は、何通りもあることのたとえ。
ローマ帝国の全盛時代、世界各地からの道が首都ローマに通じていたことから、
物事が中心に向かって集中することのたとえとして用いられた。
ヨーロッパの歴史を語る上でローマを外すことはできず、ヨーロッパ観光でもローマを外すことはできない。
多くの遺産が残るローマには現在もなお、世界中から多くの観光客が訪れている。
● ローマは一日にして成らず
立派なことやものは、長年の積み重ねがあって初めて完成するものだ、という意味。
長い間の努力の積み重ねがなくては大事業は完成しない。千里の道も一歩から。
● 郷に入っては郷に従え
When in Roma, do as Romans do.(ローマにいるときはローマ人のように振舞え)
というのが基なのだそうです。
● ナポリを見て(から)死ね
ナポリ湾一帯の美しさを強調したイタリアのことわざ。
日本にも「日光を見るまでは結構というな」という言葉がある。
実際にはマフィアの影響が強いと言われる南イタリアである事、ゴミ問題で街が汚い事などもあり、
「ナポリを見て死ぬな」などと皮肉を言われることもある。
● もし、一日しかスペインに居られないのなら、迷わずトレドへ行け
トレドはスペインの古都で、日本でいう京都のような場所。
マドリッドから近い場所にあり、「町全体が博物館」と言われ、タホ川に囲まれた旧市街は世界遺産に登録されている。
かつての西ゴート王国の首都であり、中世にはイスラム教・ユダヤ教・キリスト教の文化が交錯した地である。
● 女心とイスタンブールの天気は読めない
時期を選べば快晴が続く日もあります。
● 善を知るのはアテネ人、善を行うのはラケダイモン人
古代ギリシャの諺。ラケダイモン人とはすなわちスパルタ人。
「善を知るのはアテネ人、善を行うのはスパルタ人」ともいわれる。
アテネにある劇場で公演中に、一人の老人が遅れて入ってきたため、座席を見つけることができなかった。
当惑している老人を見て、人々はあざけり笑った。
その時に隣席していた数名のスパルタ人の使節が、困っている老人の様子を見て、
自分たちの方へ手招きし、席を譲って恭しくもてなした。
満堂の観衆は、これに感動し、また、自分たちの不徳をを恥じて、万来の喝采でその行為を称えた。
老人は敬えって事ですね。
● 洛陽の紙価貴し
本の評価が高くなることのたとえ。また、著書の売れ行きがよいことのたとえ。
中国、晋の左思(さし)が『三都賦(さんとのふ)』を著したとき、宰相にして詩人の張華が絶賛したことで評判を呼び、
人々が争って書き写したため、洛陽では紙の値段が高くなったことからいう。出典は『晋書』。