東北南部周遊旅行(宮城、山形、福島)


●東北の地には確かな経済基盤があり、人々はしたたかで逞しい。
  決して日本の隅には置けない、日本に欠かせない地域がここにはある。


上杉神社 米沢牛

東北南部周遊旅行(宮城、山形、福島) 目次

タイトル 旅行日時 都道府県 旅行先・観光したもの 移動
手段
メンバ
備考
東北南部周遊旅行 2009/08/20
〜08/22
宮城 松島、瑞巌寺、円通院、瑞鳳殿、
宮城球場、笹かま、仙台駅、牛タン
飛行機
+レンタカー
友人
2名と
フリープラン
ツアー
山形 山形駅、霞城セントラル、山形そば、
上杉神社、稽照殿、天地人博、
上杉家廟所、米沢牛
福島 喜多方、会津若松城
会津村、福島駅

1日目 松島〜瑞巌寺〜円通院〜宮城球場〜瑞鳳殿〜青葉城公園〜牛タン〜仙台駅

伊丹空港から飛行機で仙台空港へ。
なるほど、仙台空港は大都市の空港と比べて確かに小さいですが、かといって決して狭いわけではなく、
むしろ日本の空港の中では(大都市圏を除いて)広い部類に入るのかもしれません。

空港では土産物も繁盛していて、笹かまぼこ、牛タンといった宮城名物や、
さくらんぼ、挙げ饅頭など、近隣の東北地方を代表するものも売られていました。
こういうのを見ると、さすが東北を代表する空港だけあります。

空港からレンタカーを借りて、日本三景の1つ・松島へ。
松島は最初に聞いたときは1つの大きな島があるのかと思っていましたが、
実際は200を越える小さな島がいっぱいあって、それらをまとめて「松島」というらしいです。

かなり小さい島もあるので、一通り見るには専用の観光ボートに乗って海上から見ることになります。
いくつかある船の運航ルートのうち、今回は最もスタンダートと思われる1時間のコースにしました。

松島に着き、近くの駐車場に駐車。
このあたりに住む住人はきっと少ないのでしょうが、さすが日本三景というだけあって、日中はそこそこ観光客が集まりそうな気配がします。
私達は10:20頃についたので、まだ人はそれほど多くはありません。(決して少なくはないですが)

もともと11:30の船を予約していたのだが、10:30にも出発する船があったので、1時間早くできないかと尋ねると、ほぼ問題なく対応してくれました。
さすが有名な観光地だけあって、このあたりは柔軟に対応してくれるようです。
人もどこか朴訥としていて、人口密集都市にいる人のようにピリピリした感じはありません。
宮城の人は皆、こんな感じなんでしょうか?

船場から、さっそく船に乗り込みます。
船も観光用だけあって2階建てで、2階はグリーン席ということで追加料金がいるとのこと。
船に入り込むと、すぐ目に入る位置に自動販売機が1つに、その近くではダンボールの板に「カモメの餌」と書かれており、
側では漁師と見られる中年の男性が商品を置いていました。

船内の1Fに入ります。客が少なめなので座る席の確保には困りませんでした。
ちゃんと島が見えるよう、窓際に3人で並んで座ることにします。


船が出発。岸を見るとカモメたちが大量に休んでいるのが見えます。
餌を売っているくらいだから、カモメにしても毎度毎度出入りする船にはもう慣れっこなんでしょう。


船にはガイドテープが流されると同時に、ちょうどアナウンスが流れるタイミングで窓から該当する島が見えます。
なるほど、確かにこのサイズの島であれば、近づいて海の上から直に見ないと確認できないですね。
山の上の展望台などから、全ての島を一望するのは難しそうです。

ガイドによると、どうやら伊達政宗もいくつかお気に入りの島があったようです。
とすると、かの時代の人も船を浮かべて松島を間近で見たのでしょう。
当初からこの地方に住む人たちもまた、この小島だらけの風景に風情を感じ取っていたに違いありません。

しかしよくもまぁ、これだけ沢山島があるもんです。
日本は本土5島と6847の離島から成る島国ですが、この松島の部分でかなり島の数を稼いでいるのでないでしょうか。

遠くの島と近くの島とが複数、同じ視界に捉えることができます。
このように小島の距離感を楽しめる場所というのは確かに珍しいかもしれません。
面白いのは、島の上に申し訳程度に木が生えていること。
そんな島がいくつもあるのだから、確かにこんな景色は、ここでしか見られないと言えそうです。


ところどころ木の杭が打たれてあり、その上に赤いコーンが乗せられているのが些か風情がないですが、
船で沖合に出るのだから安全対策か、もしくは漁のためのものなんでしょう。


海上には貝類を捕るための専用の場所もありました。


どうやら折り返し地点に着たようで、船が引き返し始めました。
私達は船尾のデッキに出てみることに。
船の後ろなのでそれほど風が強いわけではないですが、船のスクリューに巻き込まれた水しぶきを見るのがどこか面白い。


次第にカモメの数が増えてきました、どうやら餌をくれるのを待っているらしいです。
餌を持っている人が1つずつ海に投げると、カモメが見事な飛行テクニックでそれを空中でキャッチ。
タイミングがあるのでキャッチできる鳥は限られてはいますが、それでも移動する船から投げられた小さな餌を、
自身は飛びながらキャッチするのだから大したものです。
おそらく餌が海に落ちても、その餌は他のカモメが回収したり、海にいる魚がついばむんでしょう。

船が岸辺につきました。岸に下りるとかなり人が行列を作っています。
どうやら今から観光ボートに乗り込む人のようですが、1時間遅いだけでこれほど多くの人が集まってくるものなのか。
早めの船に乗れてよかった。
当初の11:30の船だと、私達もこの大人数の中で、船の上にすし詰め状態だったに違いありません。

続いては瑞巌寺。門を潜ると名物の松並木が並んでいました。


松の木々の間の歩道を歩き抜けると、気分は松尾芭蕉です。


寺が見えてきました。靴を下駄箱に入れて中へ。


なるほど、展示物が所々にあり、一般的な観光できる寺といった具合ですね。
京都にあってもそれほど違和感がない程度なので、決してチープではありません。

この寺の周辺は、まるで庭園のように整備されています。
このあたりの敷地内がそういう造りなんでしょうか。
京都ほど人が多くないので、のんびりと楽しめる名所といえるかもしれません。
そのまま円通院に向かうことに。

途中、風情のありそうな茶屋を見かけたので、どこかで食べようと思っていた
「ずんだ餅」と、他の餅とのセットを頂くことにします。


名物「ずんだ餅」。確かにモロに枝豆の味がする。
枝豆をすり潰して砂糖を塗して餅に混ぜるという、本当にひねりのないそのままの味です。
他の餅もそこそこの味で、まさに茶屋の味といったところでしょうか。
  

すぐ近くの土産物屋で、コースタっぽいものがなんと10円で売っていましたw
10円で買える土産なんてはじめて見た。友達におごって貰うことに(笑)


円通院に到着すると、寺の主人と思われる初老の男性が呼び込みをしていました。
タダで入れるのか?! などと思っていると、どうやらガイドをはじめるよというだけで、
入場券は買わないといけないらしい、そりゃそうだよな(笑)


しかしこれからガイドを開始してくれるというなら、願ってもないタイミングです。
瑞巌寺と違い、円通院はあまり詳しい知識を事前に調べてはいませんでした。
複数の客と一緒に、ガイドの主人について行くことに。


この主人は随分ガイド慣れしていて、説明もスムーズで分かりやすかったです。
どうやらこの円通院には、東北では珍しい庭園のライトアップが行われており、木々が映り込む美しい池も見所の1つのようです。
紅白歌合戦の際、かつて中島美嘉さんがこの池の前で歌った事もあるのだとか。


またこの寺は伊達政宗の命により、支倉常長が西洋から持ち帰ったバラと、フィレンツェを象徴する水仙が描かれています。
「薔薇寺」との異名を持ち、バラの庭園もあるという、かなり珍しい寺のようです。

丁寧な主人のガイドのおかげで、予想外にこの円通院を楽しむことが出来ました。
やはりどんな場所でも、知識があればなお魅力が増すというもの。

駐車場へと向かう帰り、大きめの土産物屋があったので入ってみました。(「菓匠 三全」だったかな?)
中では仙台名物の菓子「萩の月」が大量にショーケースに格納されており、その広い店の一角には、笹かまぼこを販売している場所がありました。
よく見ると、そこで買った笹かまぼこを自分で焼くことができるテーブルがあるようです。


スタッフに聞いてみると、笹かまぼこはそれほど日持ちせず、車に入れておくと尚更痛みやすいとのこと。
ならば、と私達は1つずつ笹かまぼこを購入し、ここで焼いて食べることにしました。


水でも飲みながらじっくりと焼きあがるのを待ちます。香ばしい匂いが食欲をそそります。
ほんのり焦げたところで食べてみる、うまい。
普通のかまぼこではあるのですが、新鮮さが一層旨みを引き立てているような感じがしました。
「萩の月」も購入して店を出ます。

次に向かったのは東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地である、宮城球場。
野球好きの友人が是非とも見ておきたいという事で、私も観光気分で入場。
楽天が参入したのが2005年なので、まだまだ新しい施設ですね。


サッカー観戦メインで特別野球に詳しくない私でも、おそらく試合の日は多くの人がここで一喜一憂するのだろうなと感じつつ、
綺麗なスタジアムを見て歩きました。


スタジアム内にある楽天ショップにも入りました。
阪神ファンである友人は流し見するだけで買わなかったようです。

この日の昼食は、仙台のB級グルメの1つ、ほそやのハンバーガー。
ちょいと値は張りますが美味しかったです。
手作りの香ばしいハンバーグが、パンに合いました。
店は個人商店という規模ですが、看板を見る限り繁盛はしているようです。
  

次に向かうは瑞鳳殿(ずいほうでん)。
伊達政宗を祀る霊廟ですが、そこそこの規模がありました。

駐車場に車を停め、坂を登っていきます。
タクシーの運転手のおじさんが親切に、「ここを上に上がっていけば着くよ」と教えてくれました。
この辺りの人は素朴で親切そうですね。

全然関係ないですが、坂の横にあった墓地の墓石がほとんど黒色でした。
この地方ではあたりまえの光景なんでしょうか。

石段を登り。


立派な門を潜ります。


霊廟だというのに煌びやかでした。
こんなテカテカしたのが墓だなんて、さすが伊達家は違いますね。
  

敷地内には博物館もあり、遺骨から顔形を分析した伊達政宗の人形も展示されていました。
なんというか、伊達さんは普通のおじさんでしたね。

次はいよいよ、仙台のシンボルと言うべき、青葉城公園へ。
駐車場を停めると、すぐに土産屋がいくつか。

その前の広場には、何やらおみくじの山が。
こんなにあります。沢山並べればいいというものでもないんでは?


駐車場からは見えなかったので、ホントにここにあの像があるのか?
と思いきや歩いていると、ありました。

伊達政宗さんの像です。
宮城・仙台のシンボル。


例えばメディアが地域を取り上げる際、大阪であれば道頓堀のグリコの看板を大阪のシンボルとしてカメラアップで捉えますが、
ここ仙台では、この政宗像を取り上げる事で、この地域のシンボルとしています。

広場もそこそこの広さ。


ここは高台になっていて、仙台の町を望むことができます。


像の前でカメラを構える観光客が多いです。


一通りこの日の観光を終えて、仙台市内のホテルへ。
車で向かう途中、仙台の繁華街の交差点で信号待ちをしていたところ、
歩いてくる大勢の通行人を見かける機会がありましたが、このときの事は今でも覚えています。

すごく人がゆっくりと歩いていて、まるでスローモーションを見ているようだったのです。
大阪は日本で一番歩くのが早いなどという俗説がありますが、確かに大阪の感覚で見ていると、どうしてもこの地に住む人々の歩行速度が遅く感じるのです。

しかしそのゆっくりさは、見ていてイライラするものでは決してなく、
むしろ心にゆとりすら感じる、ゆったりとした居心地のよい空気が流れているかのようでした。
本当にここは大阪でも東京でもない、仙台なのだなと感じます。

ホテルに入り、身支度を整えて、仙台の街中を散策。

一度仙台の街には来てみたかったのですが、さすが東北一の都会だけあって、よいところですね。
大きなアーケードは広々とした空間を提供してくれ、行き来する人の数も、東京ほど人が多すぎるわけでもなく、
かといって人が少なすぎて寂れているわけでもない、ちょうどよい人数なのです。
なんというか、街の規模、人口、全てが良いバランスを保てている。
人もしたたかで親切で、すごく居心地のよさを感じます。

こんな光景も見ました、チラシを精力的に配っているお兄さんの前を不意に自転車が横切った際、
普通なら驚きそうな状況で、チラシを配っていたお兄さんはひょいと避け、何事もなかったかのようにチラシ配りを再開していたのです。
ひょうひょうとした物腰にも見えますが、それ以上に逞しさ、したたかさを感じました。

仙台の街の大きさ、行き来する人の多さ、人の歩くスピード、人のしたたかさ、活気ある店。
これらを見ているとなんといいますか、仙台は確かに活力がある街だと感じました。
例えば極端な話、東北だけが日本と切り離された独立地域になったとしても、
東北は仙台を中心として、仙台は仙台として、これからもやっていけるんじゃないか、と?

東京や他の地域に比べれば確かに規模などは開きがあります。
しかしそれでも、他地域に一切頼らなくても、この地に住む人はこれからも、変わらぬ日常を逞しく生きていくことができるんじゃないか?
とすら感じるのです。
仙台に来て、この地に秘めるしたたかさを実感として感じられたような気がしました。

仙台は素晴らしい街だ。

土産屋を散策途中、アーケード間の大きな道路で何やら政治家の演説をしていました。
見るとどうやら社会民主党党首の「福島瑞穂」さん自らがマイクを握っていました。
思わぬ形で生「福島」さんを見ることになりましたが、テレビで見る姿となんら変わらない印象でしたね。

辺りが暗くなってきたところで、仙台駅まで歩いてみることにしました。
その時に通った地下の写真。


夜の仙台駅。南部東北の玄関口ですね。
  

仙台駅内部。


夕食は牛タンを頂くことにしました。(確か店の名前は「べこ政宗」さんだったかな?)
帰り際に立ち寄った店が込んでいたので、順番が来たら携帯に連絡を入れてもらうことにして、ホテルで待つこと20分ほど。
連絡が来たので店に向かいました。

するとやや奥まった個室をあてがってくれました。
店員さんの配慮に感謝。
そしてお待ちかねの牛タン。

う ま い!

これはご飯を肉で巻いたもの。


焼いたもの。


串焼き。


どれもこれもすごい美味しかったです。
店の雰囲気も良く、店員さんも良く、食事も良くもう最高!
これほど旅行先で外食をゆったりと楽しめたのはいつ以来でしょうか。
大満足でこの日は寝ることができました。


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2日目 山形駅〜山形蕎麦〜上杉神社〜稽照殿〜天地人博〜上杉家廟所〜米沢駅〜米沢牛

翌日、一路山形へ向かいました。
この日はちょっと雨が降っていました。

山形駅。山形の玄関ですね。


こちらは霞城セントラル。
山形市内の建築物では最高の高さを誇り、同市のランドマークとなっているそうです。


このあたりはゆとりをもって土地を使っている感じがして、広々とした開放感がありました。
こういうところに来ると、やっぱり都会は狭いって感じますね。

霞城セントラルの地下でお土産を買って試食。
友人はここでお土産を買うことにしたようです。

山形駅を一通り見た後は、米沢方面へ。
途中にある山形蕎麦の店に立ち寄りました。

三津屋さん


こちらは出雲蕎麦と違い、生卵でなかったので個人的に食べやすかったです。
玉単位で出してくれました、次にラーメンを食べる予定でしたので少量にしましたが、山形蕎麦を味わうことができました。


お次は、関東では人気らしい赤湯ラーメン龍上海へ。
我々関西人には聞いたことも見たこともありませんでした。


人気店らしく、行列ができています。
待つこと30分くらいで中に入れました。
小さめの店で、定員20名といったところでしょうか。

メニューは赤湯ラーメンを注文。


さてどんなものかと食べてみましたが…正直好みが分かれる味ですね。
我等3人は全員が、まぁあまり快くない感触という感じでした。
少なくとも関西では行列ができる味ではないかもしれませんね。

腹も膨れたので、一路米沢へ。
山形の観光地といえばやっぱりここ。
半分くらいは私の希望を通してもらって訪れた地。友人に感謝しなくては。

ちょうどこの年の大河ドラマは「天地人」。
上杉家の直江兼続が主人公ということで、まさにゆかりの地なわけです。
新潟から移ってから代々、上杉家がこの地を治めてきました。
上杉家が好きな私としては、米沢は楽しみにしていたところなのです。

まず向かうは上杉神社。
綺麗な堀です。


入り口。毘と龍の旗。いい味出してます。


入り口の前は広い歩道。右手に見えるのは大河ドラマ展示館の、天地人博です。
上杉神社内は、「大河ドラマゆかりの地」の旗を掲げまくり猛アピール。


池の鯉は人の気配に群がってきます。観光客が餌を買って、あげられるようです。


大河ドラマの甲斐もあって、観光客の入りはまずまずのようです。


上杉家で忘れてはならない人物の1人。上杉鷹山公。
大河ドラマの主人公を熱望されている1人だとか。


上杉鷹山公の有名な名言。


敷地内にある上杉神社宝物殿「稽照殿」。
残念ながら内部の写真撮影は禁止されていました。

実はここには、かの有名な直江兼続の甲冑と「愛」の字の前立の兜が展示されています。
注意深く見てみると、「愛」は凄く薄っぺらく、「愛」の漢字の尖った部分には血の様なものがこびりついていました。
おそらくこんなにペラペラでは、合戦の時には何度となく曲がったり壊れたりしたことでしょう。
上杉謙信、上杉景勝が所有していた鎧などもありました。
名将上杉家を代表する勇士等の残したものが、今でもここに残っています。ロマンを感じましたね。
建物自体は小さなものですが、上杉好きな私はいつも以上に長い時間、滞在していたように思います。
  

稽照殿の前の広場には石碑がいろいろ。


お土産屋の前にはこんなものも。


お土産屋には鯉の餌と鳩の餌が売られていました。
ここでは餌付けOKらしいです。

大河ドラマのオープニングを延々と流しているモニターもありました。
若い女性3人が嬉しそうに見ていました。
いわゆる歴女と呼ばれる女性も、確かにここでも少なからず見かけられました。

上杉謙信の像。


神社を後にし、入り口にあった天地人博にも寄ってみることに。


大河ドラマで使用されていた愛の前立の兜。


ドラマ用なので愛の字が分厚く頑丈ですが、稽照殿にあった本物はもっと薄っぺらく、艶はありませんでした。
まぁその方が歴史を感じさせますけどね。

上杉神社を満喫したら、次は御廟所へ。
上杉家廟所が正式名称らしいです。
ここにはお墓しかないですから、これくらいの佇まいがちょうどよいですね。


上杉家歴代の方々のお墓がズラリ。
  

一番中央に堂々と君臨するお墓が、上杉謙信の墓。
日本を代表する戦国武将がここに眠っていると思うと、正面に立つだけで威圧感を感じました。
とはいえ謙信が没したのは春日山城で米沢ではありませんし、元々新潟にあったお墓を2度ほど改葬してこの場所になったわけで、
謙信公がそれをどう思っているのか、知る術はありません。
  

上杉景勝の墓。実は誰かがリゲインをお供えしています。
これはなぜかというと、この年の大河ドラマ「天地人」での上杉景勝役の北村一輝さんが、
(この旅行の当時は)リゲインのCMにも出演していたから、というネタのようです。
このネタが分かる観光客の人は結構笑っていました。


さて次へ向かったのは直江兼続夫妻のお墓がある林泉寺ですが、残念ながら予定よりも時間がおしていたようで、もう入り口が閉まっていました。
うーん、まぁ仕方ありませんね。

いい時間になってきたので米沢駅へ向かいます。
ここの駐車場に停めました。


これが米沢駅。ここにも毘の旗が。
雪国らしく、白が映える建物です。
  

やっぱり大河ドラマ期間中とあって、観光を猛アピールです。


これは大河ドラマに関係ないものでしょう。元々米沢は観光地ですからね。


駅の内部のお土産屋を冷やかし、さてお待ちかねの夕食。
車であらかじめ調査しておいた店に向かいます。
そう米沢に来たからには、あれを食さねばなりません。

米沢牛!

値段が張ることは覚悟の上です。

我々が入った店は炭火焼でいただける店でした。
  

なんと上等そうな肉。


べこやさん、ごちそうさまです。
  

やはり米沢牛は高級肉ですね。
肉自体のうまみ、やわらかさに高級感が溢れていました。
確かに価格はそこそこしますが、それでもご当地で名物の高級料理を頂くのですから、家で食べるものよりも数倍は美味しく感じるものです。
3人で味わいながら、しっかりと美味しくいただけました。

旅行から帰ってから気が着いたんですが、天地人博のチケットを見せるとドリンクが無料になったんですよ。
それも計算してあの店を選んだんですが、うっかり忘れてしまいました。

すっかり暗くなりましたので、喜多方まで移動して、本日の宿「あづま旅館」へ。
この日は風呂に入ってそのまま寝ました。(この写真は翌朝撮ったもの)
  


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3日目 喜多方ラーメン〜会津若松城〜会津慈母観音〜福島駅

翌朝、この日は朝からラーメンを食しました。
そう、喜多方では朝ラーメンは日常的らしく、その珍しい体験を本場で味わいたかったので、喜多方に宿をとったわけです。

チェーン店の「喜多方ラーメン」というのが全国にあり、私の地元にもありますが、あの味は好みが分かれるようで、
私はどちらかといえばあまり好きな味ではありませんでした。
しかしきっと、あれはあくまで全国チェーン用で、本場では味が違うはずです。
前日の赤湯ラーメンが期待に反する味だっただけにちょっと不安でしたが、まぁあれはあれです。

喜多方には喜多方ラーメン店がいくつもあり、ラーメン専用マップなんてのもあります。
あらかじめ候補に挙げていた1つ、あべ食堂に入りました。


開店時間すぐに行ったんですが、もう既に客はほぼ一杯でした。
どうやら開店時間よりも早くに店を開けているようですね。

店によって当然味は違いますが、ここのラーメンはなかなかいけました。
喜多方ラーメンはしょうゆ味ベースのものが多そうですが、豚骨派の私でも美味しくいただけました。


喜多方は本当に素朴な町です。
やたらと猫が多かったのも印象的でした。
現地の人と猫は、同じくらいの数を見かけたような気がします。

朝食を済ませ、喜多方を出発。
さて次に向かうは、福島の会津若松。
格好いい名前の地名です。


会津若松城こと、鶴ヶ城に向かいました。
城好きならば、福島に来たらここは外せません。

見事な城です。


行って気が付きましたが、ここも天地人ゆかりの地の旗がありました。
そういえばそうでしたね。

この城は近代建築なので、中は博物館そのものでした。
まぁ大阪城もこんな感じですから、別に気にはしませんが。
  

鉄砲なども展示してありました。

天守からの眺めは、やはり城そのものです。


この城は建物は近代建築ですが、一部当時のまま残っている部分もあるようでした。


千利休の小屋のようなものも敷地内にありましたので、ついでに観光。


鶴ヶ城の休憩スポット。


ここからは鶴ヶ城が美しく見えます。


友人がどうやら天守から気になるものを発見したようです。
白色の巨大な観音像が遥か遠くに見えたということで、予定を変更してそこに向かってみることに。

どうやら会津村と呼ばれるところのようです。
私もノーチェックで、このような場所は知りませんでした。


友人が目ざとく見つけたそれは、会津慈母観音。
よく遠くからこんなものを見つけるもんです。


ここは庭園もあります。


観音像の内部にも入りました。
中には仏像がいっぱい。
階段を上がりまくり、最上階にあったのがこれ。


観音像に開いた窓からの景色もなかなかでした。
この観音像、てっぺんに電波を受信する装置があるそうですが、中からは分かりませんでした。

帰り際、お土産屋のおばちゃん達が大声で呼んでいました。
どうやら客引きのようでしたが、あまりにも熱心で行動的なので、つい立ち寄ってしまいました。


親切ながら商売上手なおばちゃん達で、ここに住む人のパワフルさに少し驚きました。

大阪人の私はこの程度の営業トークの口車に乗せられて買うほどお人よしではありませんが、
せっかく会津の地に来てそこでお金を落とさないのも何ですし、これだけ熱心に相手してくれたわけですから、少し買わせていただくことにしました。
友人1人は全く買わなかったようですが、それはそれでありでしょう。

巨大観音像を思わぬ形で訪問しましたが、友人は満足したようです。
最後に車で、福島駅を見に行きました。


近くの立体駐車場に車を停めて散策。
ここが福島駅。新幹線も発着します。
昼食はここでマクドナルドを食べました。
面白いことに、すぐに使えるマクドナルドのクーポンを、なんと店の前で配っていました。
そういうのアリなのか?

一通りの日程を終え、仙台空港に帰ってきました。


南部東北の玄関口の仙台空港。綺麗なところです。


お土産屋も東北の名物をほとんど集めていて、現地で買い忘れても、ここに来れば安心するほどの厳選された品々が並んでいました。


この日、オーバーブッキングが発生していたようで、1名様の空きを確保したいため、マイレージか現金で席をゆずっていただけないか?
というアナウンスがありました。
ちょっと興味がそそられましたが、まぁ3人だったので今回はやめておきました。

今回の東北の旅は、前から行きたかった仙台に、上杉ゆかりの地に上質肉の米沢、
会津の活力を感じた福島と、大変満足のいくものでした。
行ったのは3県ながら東北が素晴らしい場所であることを実感できただけに、
東北地方太平洋沖地震が起こったことは大変悲しいことでありました。
我々が行ったあの日の東北の街の活力が完全に戻るためには、
まだまだ時間が必要かもしれませんが、1日も早い復興を願わずにはいられません。


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後日談 2つの余談

・余談1。
旅行から帰った日の夕食、なぜか我が家の食卓に松阪牛が並んでいました。
たまには贅沢したいと兄が買ってきてくれたようなんですが、
まさか米沢牛を食べた翌日に松阪牛を食べることになるとは思っていませんでした。

前日に食べた米沢牛の味はまだ覚えていましたので、思いがけず松阪牛との味比べができました。

比べてみますと、やはり高級牛ならではのやわらかさ、歯ごたえ、艶というのものは、どちらも高水準といえます。
何が違うかといえば、おそらく肉自体の旨みでしょう。
どちらが美味しいか?こればかりは完全に好みでしょうね。
私の場合は、やはり米沢まで行って現地で食べた米沢牛の方が、本場で新鮮な物を食べられたということで、思い出深いものではありました。

結論を言えば、どちらも美味しいです。
となると決め手となるのは、やはり肉の味の好みと、本場まで行って食べるというこだわりでしょうかね。

・余談2。
旅行から帰って、1ヶ月ほど後のこと。
急に私の携帯に電話がかかってきました。
なんと、宮城で利用したレンタカー会社から。

どうやら会津の高速道路で速度制限に引っかかったらしく、罰金を払わされてしまうことに。
福島県警から写真が大阪府警に転送された後、その時に運転していた友人が呼び出されてしまいました。

で、警察の方が写真を見て、助手席に座っている私を指差して、「丸坊主の方ですか?」などと友人に聞いたそうです。

髪の毛の薄い私に失礼なッ!!


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今回の旅行の経費

総合計は69,000円+誤差くらいでしょうか。
以下は旅行前に暫定で出した数字。すべて1人あたりの値段とします。

・往復の航空券と1日目宿泊(フライト加算料金+2000円)34,800円。2日目の宿泊4,300円。
・伊丹空港駐車料金 車1台6,500円(1人2,166円)
・レンタカー(トヨタ) 車1台25,547円税込 1人8,516円。
・ガソリン代 車1台5,625円くらい?(1人1,875円)

・距離と時間と高速道路代
仙台空港→松島(0:53 41.4Km) 1,050円
松島→仙台(0:47 23.7Km) 150円
A仙台→米沢(2:26 111.7Km) 1,900円
B仙台市内→山形(1:08 65.1Km) 1,600円
B山形→ホテルサンルート米沢(1:37 48.7Km) 300円
米沢→喜多方(1:43 48.3Km) 地道0円
喜多方→鶴賀城(2:47 21.6Km) 地道0円
鶴賀城→仙台空港(2:59 167.2Km) 3,350円
合計 12:00 416.0Km 6,450円(1人2,150円)

・観光費用
瑞巌寺 700円
瑞鳳殿 550円
資料館 700円
天地人博 一般700円
松島 遊覧船(仁王丸 50分) 1,260円
鶴ヶ城 入場料 500円
鶴ヶ城 駐車料金 ?円
合計 4,410円+α (3名 13,230円)

・食事
1日目
 昼:ずんだ餅    525円
 昼:仙台バーガー  700円
 夜:仙台牛タン   1,500円
2日目
 朝:ホテル     0円
 昼:山形そば?   1,500円
 夜:米沢牛     4,000円
3日目
 朝:喜多方ラーメン 550円
 昼:マクドナルド  1,000円
合計 9,775円 (3名 29,325円)


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