用語集
● SOS団(エスオーエスだん)
正式名称は「世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団」。
ハルヒが結成した同好会未満の集団で、
目的は「宇宙人や未来人や超能力者を探し出して一緒に遊ぶこと」。
主な活動内容は市内の不思議探索や非常識的な事件の相談などだが、
ハルヒの思い付きで行動することが多く、学校行事の他に町内での
イベントの参加・アルバイトなど多岐に渡る。
活動がない放課後やハルヒ不在時でも団員は集合することがあり、
その際は各々の趣味などで時間を過ごしている。
正式な部室はなく、文化部部室棟3階にある文芸部室を占拠している。
備品のほとんどはハルヒがどこからか調達(強奪)してきた物や、団員の私物である。
なお、キョンが同好会申請をした(その際の正式名称は「生徒社会を
応援する世界造りのための奉仕団体」とした)が、学校の認可は下りていない。
SOS団のウェブサイトもある(ハルヒがキョンに作らせたもの)。
そこにはハルヒが「SOS団」の文字を元にデザインしたエンブレムがあり、
本作のマルチメディア展開でもよく使用されている。
これに関しても非日常的な騒動が持ち上がった(第3巻『退屈』収録
「ミステリックサイン」)ため、長門が密かに描き直して現在は「ZOZ団」となっている。
「世界を - 」のくだりは、改変世界から3年前の七夕に脱出してきたキョンが、東中の校庭に
謎の幾何学模様を描き終えて帰宅する中学生のハルヒに向かって遠くから叫んだ「世界を大いに
盛り上げるためのジョン・スミスをよろしく!」という台詞から来ている模様(第4巻『消失』)。
なお、謎の幾何学模様はみくると共に未来からやって来たキョンが一緒に描いたもの。
このとき彼は「ジョン・スミス」と名乗った(第3巻『退屈』収録「笹の葉ラプソディ」)。
■ 宇宙人関連
● 情報統合思念体
全宇宙に広がる情報系の海から発生した、非常に高度な知性を持つ情報生命体。
実体を持たず、いかなる光学的手段でも観測することは不可能。
有機生命体と直接コミュニケーションできないため、
長門をはじめとする対人間用インターフェースを派遣した。
自律進化を遂げる手がかりとして、ハルヒを観察している。
「統合」思念体といってもその意志は一つではなく、様々な思惑が交錯している。
そのため「主流派(中道派)」「急進派」「穏健派」などの派閥が存在し、時に対立する。
なお、長門は主流派に属する。
● 対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース
人間などの有機生命体と言語を介して直接的にコミュニケートするために、
情報統合思念体が創造した有機アンドロイド。古泉が所属する超能力者集団「機関」からは
TFEI端末(ティーエフイーアイたんまつ)と呼ばれる(TFEIが何の略称であるかは不明)。
● 広域帯宇宙存在
情報統合思念体とは起源を異にする存在。
思考プロセスが完全に違うため、通常手段での相互理解は不可能。
そのため、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェースを遣わしての接触を図る。
情報統合思念体は暫定的に、天蓋領域(てんがいりょういき)と名付けている。
● 情報爆発
「情報フレア」とも表現される。3年前、ハルヒを中心に起こった現象。
その情報の奔流は情報統合思念体にも解析できず、
情報統合思念体がハルヒを観察するきっかけとなった。
朝倉涼子がキョンを襲撃する結果として、ハルヒに期待していたもの。
■ 未来人関連
● 未来人
「未来」から来た調査員。いくつにも分岐する未来のうち、自分達の属する未来へと
向かうように歴史を調整することを目的としている。
● TPDD
「時間平面破壊装置」のことで、正式名称「タイム・プレーン・デストロイド・デバイス
(Time Plane Destroyed Device)」の略。平たく言えばタイムマシン。
「航時機」とも呼ばれ、未来人が時間移動の際に使用する。
デバイスと言っても物理的な装置ではなく、概念的な存在であるというが、
第3巻『退屈』収録の「笹の葉ラプソディ」では、みくるが一度「紛失」している。
みくるの権限では使用できず、未来からの許可が必要となる様子。
● 禁則事項
単に「禁則」とも呼ばれる。未来に関する情報や現代では未到達な知識など、
過去の人間には教えてはいけないことを指す(ただし、その情報を知っている人間には話せる)。
未来人は時間移動の際に強力な精神操作を受け、
禁則事項にあたる情報は口にできないようになっている。
● 既定事項
単に未来人から見て過去に起こった出来事を指すのではなく、
各未来人派閥にとって有益な結果に繋がる行動が「既定」事項とされる。
● 時間平面理論
「時間」はその時間毎に区切られたデジタルな現象である、という未来の理論。
時間は「アニメーションを構成する静止画の集まり」であり、
現代における未来人の存在はその中に描かれた「いたずら書き」のようなものである、
と説明されている。大元の基礎概念は、ハルヒが第8巻『憤慨』において
気まぐれに書き、文芸部会誌に掲載した論文に基づく。
● 時間震動
「時空震」とも呼ばれる。時間平面に力が加えられて変異する際に発生する、
時空の揺れのような現象であると推測される。3年前にハルヒが大きな時間振動を発生させ、
「時間断層」と呼ばれる大きな隔たりが生じ、
その影響で3年前より過去への時間遡行が不可能となった。
1人の人間が時間平面に干渉するということは通常では考えられず、詳細は謎である。
■ 超能力者関連
● 超能力
古泉が持つ「超能力」は閉鎖空間を察知・侵入し、赤い球体に変化して神人へ攻撃できると
いうもので、それ以外は普通の人間と変わりはない。3年前に突然発現した。
閉鎖空間発生の有無を感じ取れる能力も持つ。
● 閉鎖空間
ハルヒの精神状態が不安定になると出現する空間。
出現する頻度も場所も不定で、生命体が存在しない以外は現実の空間と構成するものは同じだが、
全体に灰色がかっている。通常、物理的な手段では侵入できない。
閉鎖空間での物理的被害が現実世界に影響を及ぼす事はないが、放置すれば空間が拡大し、
最終的には現実世界と入れ替わってしまうとされている。
古泉らは、ハルヒがこの閉鎖空間を発生させないために手を尽くしている。
● 神人(しんじん)
閉鎖空間に出現する青い巨人。ハルヒの精神的ストレスが具現化したものと考えられ、
彼女の心のわだかまりが限界に達すると出現し、ストレス解消の役割があるためか、
ひたすら破壊活動を行う。神人が消滅すると閉鎖空間も消滅するが、
発生自体を阻止するには現実世界でハルヒのストレスの原因を取り除く以外にない。
● 「機関」
古泉と同じ「超能力」を持つ者たちによって3年前に発足された、ハルヒの監視を目的とした組織。
超能力者が数名所属しているようだが、古泉も組織の実態を把握しきれていない様子。
彼以外にも、数人のエージェントが県立北高に潜入している。
閉鎖空間における神人を消滅させるほか、ハルヒがストレスを溜めないために
様々な対策(イベントの開催など)を実施している。
すべての人や物は、神であるハルヒが3年前にその形態を予め保った状態で創造した
という説を提唱しており、彼女が世界の「神」であるという理念のもとに活動している。
古泉の話によると組織でも様々な思惑が交錯しており、一枚岩ではないようだ。
■ その他
● コンピュータ研究部(コンピ研)
文芸部室の2つ隣にある文化系クラブ。部長以下4名が所属。
SOS団にパソコンを奪われ、その返却を賭けたオンラインゲーム対戦を申し込むも、
長門の活躍により惨敗。さらにその罰ゲームで、その他通信に必要な機器、
各種サービスを提供させられた。長門がたまに掛け持ちで参加している。
● 異世界人
ハルヒの冒頭の自己紹介でのセリフ
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、
超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」で、
ハルヒが挙げた4つの人種の内、作中で明確に登場していないもの。
「異世界人」という単語が省略されている事も多いので、忘れている人も少なくない。
ファンの間では、第2巻「溜息」の文化祭準備時にキョンが見た
妙な服装の人物達が「これに該当する可能性があるのではないか?」という意見もある。
● 局地的非侵食性融合異時空間
第3巻「退屈」のミステリックサインにおいて長門が唱えた、閉鎖空間と似て非なる空間。
ハルヒが直接創造したものでなく、彼女の作ったSOS団のエンブレムが
たまたま莫大な情報量(原作では約436TB(テラバイト)、
アニメ版では約436PT(ペタバイト))をもち、それがある種の情報体
(約2億8000万年前に地球にやってきて現代まで眠りについていた)を目覚めさせ、
同情報体が創造した空間であるといわれるもの。
その後、長戸によってSOS団のエンブレムは修正された。見た目は「ZOZ団」に。
● 珪素構造生命体共生型情報生命素子
珪素に宿り、意思を持つ情報生命体。
宇宙から飛来し、宿主である珪素生命体が燃え尽きたために、
阪中家のルソーなどの犬に取り憑いた。
その後長門によって圧縮、封印され、シャミセンに入れられることになった。
情報統合思念体にとって有益な存在であり、人間に例えるとウイルスのようなもの。
● 非物質拡散性振動型感知音波
ドラマCD「サウンドアラウンド」で、ハルヒが曲作りに熱中しすぎて発生したもの。
この音楽を聞いた人の脳細胞に、メロディーが永劫回帰するサーキットが作られるという
現象を産む音のつながり。
媒体を持たないので、厳密には音とは言えないとされる。
● 非対称性変動型不協和音
ドラマCD「サウンドアラウンド」で、
秩序立った音の連なりで構成されているサウンドウォームに対し、
有効なダメージを与えることのできる音の連なり。
みくるの下手くそな歌などが例。
● 非物質拡散性振動型感知身体言語
ドラマCD「サウンドアラウンド」で、非物質拡散性振動型感知音波のダンス版。
エピローグでハルヒが思いついたダンスが発生源となると長門が予想している。
ダンスを見た人が永遠に踊り続けるという現象を生むようだ。
● 既視感(きしかん)
第5巻「暴走」の「エンドレスエイト」などで登場。
キョンらが感じた一種の「警告」で、過去の自分が「その事象は試したがダメだった」
という信号を発したときに感じるものである。
● The Day of Sagittarius 3(ザ・デイ・オブ・サジタリウス3)
コンピ研がSOS団に勝負を持ちかけたゲーム。
和訳すると「射手座の日」になっており、アニメタイトルと同じ名称。
宇宙空間を舞台にした戦闘シミュレーションゲームだが、索敵が必要など本格的な作りである。
SOS団に勝負を仕掛けた際は、コンピ研側に有利なイカサマを仕込んでいた。
(このイカサマは原作とアニメ版では内容が異なるようである。)
最終的には長門によって見抜かれ、返り討ちにされてしまった。
● ねこマン
涼宮ハルヒのイメージキャラクター。平野綾がシングル『冒険でしょでしょ?』の
レコーディング時の合間に、らくがきしたものがはじまり。
キャラクターそのものは平野綾の完全オリジナル。
元々は「涼宮ハルヒの憂鬱」の台本の裏に落書きしてあったキャラクターであり、
それを見たスタッフが気に入って、「涼宮ハルヒの憂鬱」イメージキャラに採用した経緯がある。
様々なバリエーションがあり、ハルヒ関連の商品では何かと見る機会がある。
アニメでのスポンサー画面の背景に使用されている「ねこマン」は、バージョンが毎回違う。
参考:Wikipedia