■ 戸田の首を取れ ■ |
内乱に乗じ、隣国の戸田が挙兵。
この危機を打破する為、戸田家君主 戸田義貞の首を狙う。
一、櫓に備えし弓兵に警戒せよ |
一、鳴子の罠に注意すべし |
一、強敵に備え、忍具を携帯を怠る無かれ |
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〜 任務開始時 〜 |
青龍を始末した龍丸は、窓から城の中へ入り込んだ。
その部屋には、ぐったりとした奥方と、彩女がいた。
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彩女 |
「
基秀が奥方様を…
姫様が連れ去られた!
あたいは奴を追う!
」 |
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彩女はそういうと、窓から外へと飛び出した。
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燃え盛る郷田城に、筆頭家老関谷の姿があった。
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関谷直忠 |
「
おぉ!龍丸じゃったか
急な呼び出し、済まなんだな
」 |
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龍丸 |
「
関谷様
一足遅く…奥方様はお亡くなりに…
」 |
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龍丸 |
「
加えて、姫は何処かに…
基秀の仕業かと…
申し訳御座りませぬ
」 |
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関谷直忠 |
「
何たる事じゃ…
だがお主の責ではござらぬ
家老である儂の手配が
悪かったのじゃ
」 |
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龍丸 |
「
…彩女が姫の救出に
向かっておりまする
」 |
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奥から出てきたのは、郷田家の剣術指南役、橘十兵衛であった。
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橘十兵衛 |
「
基秀によって深手を負って
おりまするが
御命に別状ないかと…
」 |
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関谷直忠 |
「
なんと!
…だが、生きておられる事が
不幸中の幸い…
」 |
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橘十兵衛 |
「
だが関谷殿
基秀に呼応するように
戸田が兵を進めて参った様で御座る
」 |
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関谷直忠 |
「
何?戸田が…!
動きが速すぎる
まさか、基秀様の背後には
戸田義貞が…!
」 |
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龍丸 |
「
恐らくは結託しているものかと…
基秀と共に戸田子飼いの忍を
見かけました故
」 |
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関谷直忠 |
「
まさに郷田家存亡の危機じゃ
如何致したら良いものか…
」 |
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龍丸 |
「
拙者にお任せ下され
獅子身中の虫共々
戸田が首貰い受けて参ります
」 |
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関谷直忠 |
「
…体制を整えるには
時間が必要じゃ…
頼むぞ
」 |
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戸田の陣へと赴いた龍丸、何やら不穏な空気が満ちている。
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〜 戸田の本陣前に到達時 〜 |
戸田本陣にて──
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戸田兵 |
「
殿、基秀の躯は
如何いたしましょうか
」 |
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戸田義貞 |
「
捨て置けい
それより、皆の者に伝えよ
夜明けを機に
郷田城に攻め入るとな
」 |
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戸田義貞 |
「
目の上の瘤であった
郷田もこれまで
これを皮切りに
天下でも狙うてみるかのぉ
ハハハハハハハハハハハハハ…
」 |
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その時龍丸は、戸田の背後に降り立った。
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龍丸 |
「
貴様には天下ではなく
地獄が似合っておる
」 |
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戸田の声に、戸田の兵士が2人駆けつけてきた。
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※ 戸田登場後にやられた時 |
戸田義貞 |
「
修羅場を潜り抜けてきた儂が
忍びごときにやられると思うてか
ハハハ、ハハハハ、
ワハハハハハハハハハ
ハハハハハハハハハ…
」 |
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〜 戸田戦に勝利した時 〜 |
戸田義貞 |
「
バ、バカな…
この儂が…
このような所で…
グ…ォォ…
」 |
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その時、香我美が本陣内へ入ってきた。
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香我美は突然、瀕死の戸田を掴み上げた。
思いもよらぬ行為に、龍丸は少し動揺する。
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長い刀で戸田を突き刺し、息の根を止める香我美。
戸田の骸は、地に転がった。
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香我美 |
「
よくやってくれた
仇敵を倒してくれて感謝するわ
はははははは
」 |
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香我美は満足そうに、その場を走り去った。
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香我美を追ってきた龍丸は、断崖絶壁の上に到達した。
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香我美がたいまつを海に放り投げると、海からたいまつとともに
歓喜の声が次々と聞こえてきた。
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香我美 |
「
ハハハハハ
邪魔者は消えた
我ら、この時をもって
陽炎座と名乗る
表舞台へと躍り出るのだ
忍びの世の幕開けだ!
」 |
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香我美は龍丸の方を振り向いた。
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香我美の誘いに反発し、龍丸は静かに構える。
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香我美 |
「
……
いずれは敵となるならば
今ここで、お前の命貰っておくわ
門出の餞としてな…
あっはは
あははは
」 |
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※ 香我美登場後にやられた時 |
香我美 |
「
柵に囚われなければ
生き長らえたものを…
」 |
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香我美は、断崖絶壁の海に龍丸を斬り落とした。
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〜 香我美戦に勝利した時 〜 |
激しく武器を打ち付けあう龍丸と香我美。
彩女がやってきたようだったが、龍丸は気がつかないでいた。
豪雨降りしきる中、雷が両者を照らす。
その時、両者の立っている崖が、ゆっくりと沈み始めた。
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龍丸と香我美の立っている崖が、次第に崩れ去っていく。
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次の瞬間、二人が立っていた崖は、荒波へと崩れ落ちて行った。
龍丸と香我美を、絶海の海に道連れにしながら…!
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『ドバ〜ン!』
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大きな音を立てながら、崩れ去った崖とともに
二人の姿が消え去ってしまった。
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彩女はすかさず崖から身を乗り出した。
海には、龍丸の右腕に巻いてあった鉢巻が、荒波の上を泳いでいた。
彩女は、がっくりと肩を落とした。
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海の中を漂う龍丸─
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龍丸 |
「
う…ぅ…
体が…動かない…
む…無念…
」 |
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龍丸は、次第に意識が遠のいていった。
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二人はとある島へ流れ着いたようだ。
香我美は、気を失った龍丸をひきずって浜辺へ上がった。
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香我美は息切れしながら砂浜へ龍丸を転がすと、
刀を抜き、切っ先を龍丸へ向けた。
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下へ突き刺した刀は、龍丸の横をすり抜け、砂浜へ突き刺さった。
香我美は刀を指したまま徐にしゃがみこみ、龍丸の口へ息を吹き込んだ。
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息を吹き返した龍丸は、突拍子もなく言葉を発した。
香我美は、少し戸惑った。
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龍丸 |
「
俺は…誰なんだ…
何も…思い出せん…
」 |
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龍丸は再び気を失った。
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香我美 |
「
おい、悪ふざけはやめろ
…起きろ!
」 |
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起きる様子のない龍丸。
香我美はやむなく、重い龍丸を背負いながら歩き出した。
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