□ 天誅弐 デモメッセージ 彩女ステージ三 □

■ 菊姫を救出せよ ■
戸田の陣にて何処かに幽閉されし菊姫を救出する為、闇に紛れて陣中を疾走する。

一、敵の位置を把握し、その隙を見極めよ
一、鳴子の罠に注意すべし
一、敵に覚られれば姫の命を危険にさらす

〜 任務開始時 〜
既に事切れた奥方、立ち尽くす彩女。
そこへ、龍丸が窓から部屋に入ってきた。
龍丸 彩女…奥方様は…
彩女 基秀が奥方様を…
 姫様が連れ去られた!
 あたいは奴を追う!
彩女はそういうと、窓から外へと飛び出した。

戸田本陣に到達した彩女は、本陣の側の大きな木の枝から、
陣内の様子を窺っていた。
戸田義貞 おお、基秀殿
 善くぞ戻られた
郷田基秀 戸田殿、かたじけない
 松之信めを仕留め損なったわ
 だが、彼奴めには深手を負わせた
 加えて弱みたる一粒種…
 ごらんの通り
 儂に兵を貸して下され、戸田殿
 もう一息で御座る
基秀兵 うおおぉぉぉ
戸田義貞の合図と共に、基秀の後ろにいた基秀兵は、戸田の私兵に刀で斬り倒された。
郷田基秀 戸田殿!
 な、何を…
戸田義貞 はっはっはっはっはっはっはっはっ
 郷田領は儂が貰い受ける
 我が属領としてな
郷田基秀 は、話が違うではないか
 共に覇権を分かち合おうと…
 ぐ、ぐぇ〜
慌てふためく基秀に、戸田は正面から斬りかかった。
戸田義貞 勝利の美酒は
 己一人で味わうものよ
郷田基秀 ……卑怯な…
戸田義貞 人質を取ってきた貴様が何を言う
 今は乱世
 だまされる方が悪いのだ
 だまされる方がな
 ハハハハハハハハハハハ…
郷田基秀 松之…信…
 わ、儂がおろかで…
 が…ぁぁ…
戸田義貞 姫を例の小屋へ運べ
 丁重にな
 郷田攻略の切り札になるやもしれん
彩女 トカゲの尻尾切りかい
 上には上がいたもんだね
 …まったく
 待ってな、姫

彩女は木から飛び降り、菊姫救出に向かう。
そこへ、突然何者かが襲いかかってきた。
彩女 なっ!?
彩女はとっさに攻撃を打ち払った。
香我美 ん?…何だ、小娘か
女はそう言うと、降りしきる豪雨の中へと消えていった。
彩女 何なのさ!?

〜 菊姫のいる小屋に到達時 〜
菊姫 ひっ、ひっく…
 …ははうえ?
 母上─!
助けに来た影を母と間違えた菊姫は、泣きながら彩女に縋りついた。
彩女 ちょっ、ちょっと
菊姫 怖かったよぉー。母上ぇ!
 あれ母上じゃない?
 …お姉ちゃん、誰なの?
彩女 助けに来たんだ…
 姫、これを
菊姫 あー!姉妹の鈴だ!
彩女 姉妹の鈴?
菊姫 お姉ちゃんの名はあやめ?
彩女 そう、だけど…
菊姫 やっぱりそうだ
 じゃ、一つはお姉ちゃんのだよ
彩女 え?
菊姫 母上がね
 作ってくれたの
 二人が姉妹みたいに
 なれますように、って
 やった、やったぁ!
 お姉ちゃんが助けに来てくれたぁ!
 早く帰ろう
 早く母上のところへ
 ね、お姉ちゃん
 早く、早く!
 どうしたの?どこか痛いの?
彩女 そうじゃない…
菊姫 菊のお姉ちゃんになるのがいや?
彩女 そうじゃない…けど
彩女は奥方の御心使いに、涙を止めることが出来なかった。
菊姫 じゃあ、じゃあ
 何で泣いてるのぉ?
 お姉ちゃんが泣いちゃうと
 菊も悲しくなっちゃうよぉ…
彩女 大丈夫
 …よし、帰ろう
小屋を出たとき、なにやら何者かが闘い争っているような音が聞こえた。
彩女 何だ…?
菊姫 向こうからだよ
 行ってみよう
彩女 ごめんな
 早く帰るって言ったのに
菊姫を背負ったまま、彩女は音のする方へと走り出した。

彩女 あれは!?
彩女は音のする方へとやって来た。
見ると龍丸と女らしき人物が、断崖絶壁の崖の上で闘っている。
そこへ力丸もやってきた。
力丸 彩女、無事であったか…
彩女 力丸、菊を頼んだよ
彩女は背中に背負っていた菊を力丸に預けると、龍丸の元へと走りだした。
龍丸と女が、激しく武器を打ち付けあっていた。
そこへ彩女がやってきたのだが、龍丸は気がついていないようだった。
豪雨降りしきる中、雷が両者を照らす。
その時、両者の立っている崖が、ゆっくりと沈み始めた。
彩女 龍!
龍丸と女の立っている崖が、次第に崩れ去っていく。
龍丸 お、おぁ、
 おぁっ!
次の瞬間、二人が立っていた崖は、荒波へと崩れ落ちて行った。
龍丸と女を、絶海の海に道連れにしながら…!
龍丸 おあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…
『ドバ〜ン!』
大きな音を立てながら、崩れ去った崖とともに
二人の姿が消え去ってしまった。
彩女 龍丸──!
彩女はすかさず崖から身を乗り出した。
海には、龍丸の右腕に巻いてあった鉢巻が、荒波の上を泳いでいた。
彩女は、がっくりと肩を落とした。

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