■ 忍びの里襲撃 ■ |
記憶を無くした龍丸は、自らが育ちし忍びの里とも知らず、無情の太刀を振り下ろす。
一、東忍流の主、東紫雲斎を亡き者にせよ |
一、忍具を有効に活用すべし |
一、老忍者たちの力、侮るなかれ |
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〜 任務開始時 〜 |
境内に一人残る龍丸。
突然、背後から見知らぬ少女が話し掛けてきた。
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彩女 |
「
龍丸…?
やっぱり、そうだ
良かった…
あんたが死ぬ訳無いよね…
」 |
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彩女 |
「
は?
何言ってるんだい
あたいだよ
彩女だよ
」 |
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彩女 |
「
冗談は止めとくれよ
あんたは龍丸だろ?
東忍びの龍丸じゃないか
」 |
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龍丸 |
「
俺の名は青龍
陽炎座四天王が一人
…龍丸などという男は知らぬ
お前に関わっている暇などない
」 |
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その時、屋根裏から部下達が飛び降りてきた。
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龍丸 |
「
うむ
あまり煩くするようなら、殺れ!
」 |
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〜 紫雲斎の屋敷の前に到達時 〜 |
忍びの里の小高い丘にある屋敷に忍び込んだ龍丸。
袴を着た大名らしき人物が忍びを切り伏せ、こちらに斬りかかってきた。
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龍丸は相手の首元に当て身を入れて気絶させると、前にいる老人を見据えた。
老人は、閉じていた目をカッと見開いた。
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東紫雲斎 |
「
龍丸…か…
これもまた宿命なのか…
来いっ!龍丸!
」 |
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※ 東紫雲斎登場後にやられた時 |
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〜 東紫雲斎戦に勝利した時 〜 |
龍丸は紫雲斎の胸元に十六夜を突き立て、止めを刺した。
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老人が足元に倒れ込んだ時、龍丸はその人物に
何か懐かしいような感覚を覚えた。
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その時、あの男が屋敷に入ってきた。
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数回攻撃を打ち付けあう龍丸と力丸。
龍丸はふと、既に自分が血祭りに上げた老人の方に目をそらした。
その隙を力丸に付け込まれ、刀で地に弾かれてしまった。
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男は刀を振り上げたが、振り下ろすのを躊躇しているようだ。
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刀を首元で止める力丸。
龍丸は十六夜を握り、力丸に向かって一閃した。
十六夜の刃は、力丸の右目を斬り裂く。
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態勢を整えた龍丸の元へ、香我美が斬り込んで屋敷に入ってきた。
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香我美 |
「
童が太刀など握るから、そうなる
退くよ、青龍
」 |
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抵抗する男を、香我美は刀で軽くあしらった。
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香我美 |
「
おまえと遊んでいる暇など無いわ…
ふ…ふふふふふ
っはははははははは
」 |
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屋敷から出ると、前方に何時かの少女が見えた。
香我美が刀で払うと、龍丸はそれに続いて通り抜けた。
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桜丘の大桜の下で、香我美は足を止めた。
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香我美 |
「
調子に乗るな!
誰が心配など…
傷口を見せてみろ
」 |
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香我美は龍丸の傷口を縛ってやった。
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香我美 |
「
お前の死に場所は妾が決める
だから…勝手な真似は許さぬぞ…
」 |
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その時、あの時の少女が丘を駆け上がって来た。
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香我美 |
「
妾は陽炎座の頭
香我美
直々に相手をしてやる
光栄に思え!
」 |
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香我美は刀を構えたが、龍丸は右手でそれを制した。
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こちらを向く香我美を、龍丸はじっと見据えた。
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香我美はそう言って、一人丘を降りて行った。
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彩女 |
「
龍丸…
あんたが師匠を殺ったのか…?
」 |
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彩女 |
「
あたい達の師匠じゃないか!
あたい達の親じゃないか!
本当に覚えていないんだね?
もう昔のようには戻れないんだね?
なんでこんな事に
なってしまったのかな
答えて…
答えてよ、兄様
兄様ぁ!
」 |
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その時、龍丸の脳裏に少女の声がよぎった。
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あやめ |
『
彩女ね
大きくなったら兄様の
お嫁さんになるんだ
一緒に暮らすんだぁ
』 |
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懐かしい声、この場所で昔、少女は自分の名を呼んでいた。
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龍丸は十六夜を彩女の喉元に突きつけ、言葉をさえぎった。
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龍丸は強い口調で、彩女の言葉をさえぎった。
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彩女 |
「
分からないっ!
あたいには分からないよ!
」 |
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龍丸 |
「
再び相見える時は
容赦なく斬る
…さらば
」 |
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龍丸は彩女に背を向け、香我美を追った。
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龍丸と香我美は、造船所に辿りついた。
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香我美 |
「
いよいよ完成じゃ
この巨大船が妾の夢を乗せる…
」 |
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香我美 |
「
そうだ
これで漸く陽の当たる場所に
出られる
自らの意思で生き
自らの意思で死ねる
」 |
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その時血相を変えて、陽炎座忍者がやって来た。
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香我美 |
「
騒々しいぞ!
我等が門出に無粋であろうが!
」 |
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般若忍者 |
「
洞窟内に曲者が…
おそらくは東の者かと
」 |
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香我美 |
「
無粋な者が絶えぬ
皆の者に伝えよ
出航を早める
狙うは郷田が城!
」 |
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香我美 |
「
青龍
何故妾が郷田を攻めるか
分かるか?
」 |
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陽炎座の一員として今日まで任務についていたが、
未だその理由は龍丸の知る限りではなかった。
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香我美 |
「
我等は武士の影といて
虐げられ(て)生きてきた
今こそ旧き掟から解放され
天下に吠える時がやって来たのだ
いずれ郷田の存在は
その邪魔となろう
門出の足掛かりとする為
血祭りに上げねばならぬ
陽炎のごとく
天下を照らすのだ…
」 |
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