◆ 〜第三幕〜 ◆
|
幽玄
陽炎座は明国人から得た
技術によって、山さえも崩し去る
大筒を備えし巨大船
「焔口鬼」を作り上げた。
特定の領土を持たぬ陽炎座にとって、
この船が覇を唱える拠点となる。
忍びを掟から解放する為、
忍びの世を創る夢の為
彼らは大海原を馳せる。
そして、その巨大な砲口は
今まさに雄叫びを上げようと
郷田城へ狙いを定めた。
|
|
■ 巨大船 焔口鬼 ■ |
巨大船「焔口鬼」の内部に潜入せし彩女は、全ての決着をつける為、龍丸の元へ向かう。
一、絵地図を活用し、迷路の如し船内を移動せよ |
一、周囲を見渡し、正しき道を見つけるべし |
一、長期に渡る戦に備え、薬を多く携帯すべし |
|
〜 任務開始時 〜 |
大筒が放たれ、城の一部が一瞬にして火に包まれる。
焔口鬼内部に潜入した彩女は、窓から外を眺めやった。
|
彩女 |
「
城が…!
こんな凄い威力なんて…
菊、無事であってくれ
」 |
|
|
〜 甲板へ抜ける階段に到達時 〜 |
階段の上から、いつか見たデブ忍者が降りてきた。
|
玄武 |
「
一歩も進ませんぞぉ
香我美様はおいらが守る!
」 |
|
|
玄武 |
「
退かねぇ
皆はおいらの事を
薄鈍だバカだと罵るけど
香我美様はおいらを
一人前として扱ってくれた
あの御方の為なら
おいらは何時でも死ねる…
」 |
|
|
|
|
|
※ 玄武登場後にやられた時 |
玄武 |
「
すまねぇな
おいら負ける訳にはいかねぇんだよ
」 |
|
|
〜 玄武戦に勝利した時 〜 |
玄武 |
「
おいらの…負けだ
…おめぇ、名は…?
」 |
|
|
|
玄武はそう言うと手にした武器を落とし、
目を開けたまま、立ったまま死を遂げたのであった。
|
彩女 |
「
おそらく花かなんかと
勘違いしたんだろうが…
あたいの真の名は殺める女
彩女…
」 |
|
彩女は玄武の目を閉じてやると、甲板への階段を駆け上がった。
|
甲板へ出ると、龍丸が背を向けて海上に広がる戦場をじっと見つめていた。
|
|
彩女は軽くうなずいた。
|
|
|
|
※ 龍丸登場後にやられた時 |
龍丸 |
「
彩女…
戻らぬのだ
一度外れてしまった歯車は
二度とは元に…
戻らぬのだ…
」 |
|
龍丸は息のない彩女を、いつまでも抱えていた。
|
|
〜 龍丸戦に勝利した時 〜 |
彩女の一撃に、龍丸の十六夜が宙を舞った。
彩女はすかさず十六夜を手に取り、倒れた龍丸の首にあてがった。
|
彩女が躊躇したその刹那、龍丸は十六夜の刃を掴み、自ら胸を貫いた。
|
|
|
呆然とする彩女…。暫く後、力丸がやってきた。
|
|
彩女は手にした十六夜を力丸に投げ渡すと、
まだぬくもりの残る龍丸の体に縋りついた。
|
やがて、振り切るように彩女は立ちあがり、
甲板の隅に立って最後に兄弟子龍丸の姿を心に刻み、
そのまま海に身を投げたのだった。
|
|
※これより下はネタバレが含まれていますので、
ご覧になる方はドラッグしてお読み下さい
(エンディングですので)
。
|
|
松之信の合図で放たれた火矢が、焔口鬼目掛けて雨のように降り注ぐ。
巨大船 焔口鬼は、炎上しながら崩れ去っていった。
|
絶望して海に身を投げた彩女であったが、
破損した船の残骸の上に乗せられ、奇跡的に無傷で海の上を漂っていた。
|
彩女 |
「
何故、生きてる…
全てを失ったのに…
あたいは…なぜ…
もう何もない…何も残ってやしないのに
」 |
|
不意に腕を上げる…その手に持っていた鈴が静かに音を鳴らす、
…その音色、その形…兄弟の鈴であった。
|
彩女 |
「
まだあるじゃないか
二度と泣かない、
泣いてやるものか!
」 |
|
彩女は心に誓った。
そう、大切なものが、まだあるのだから…。
|
|
かつて龍丸が香我美と戦い、海へ投げ出された崖の上。
彩女は石を積んだ墓石に花を供えていた。
力丸も、やって来たようだ。
|
|
彩女 |
「
あたいは強くなる
失わないために
二度と、二度と、失わないために
」 |
|
|
力丸は彩女を背に歩き出した。
彩女は、力丸の方を振り返った。
|
|
|
力丸は彩女をおいて、その場を立ち去った。
|
彩女は力丸の後を追った。
|
|
|
|
彩女はそういって、歩き出した。
|
その時、海鳥がすぐ近くを旋回していた。
海鳥は旋回しながら、煌煌と輝く太陽へ飛び立っていった。
|
|
|