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彩女 |
「
さんざ人の命を奪っといて
死にたく無いとは笑わせるねぇ
」 |
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牢屋から出ようとした彩女だったが、前方に突然、何時ぞやのデブ忍者が現れた。
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あきれ返った彩女は、その場を素通りしようとした。
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玄武 |
「
おーい
無視するでねぇ!
逃がさねぇぞぉ
」 |
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玄武 |
「
唐変木でねえ
おいらには玄武っちゅう
ちゃんとした名があるだ
陽炎座四天王
“聡明の”玄武だぞぉ!
」 |
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彩女 |
「
陽炎座?
あんた戸田が死んで
そんな所へ鞍替えしたのかい
」 |
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玄武 |
「
戸田の殿様が死んだ後
香我美様が忍びを率いて
陽炎座を作っただ
」 |
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玄武 |
「
んだ
忍びの世を創る、えれぇお人だ
おめえがどうしても
仲間になりてぇって言うんなら
会わせてやってもええぞ
」 |
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彩女 |
「
あたいが…?
よしとくれ
冗談はあんたの名だけで十分さ
」 |
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玄武 |
「
香我美様がくれた名を
バカにするでねぇー
んじゃ、もう誘ってやんねぇからな
おいらの忍術で
おめえをこてんぱんにしてやる
」 |
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玄武はまたもや煙玉を投げると、張りぼての岩の中に隠れ込んだ。
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玄武 |
「
がっっはっはっは
何処にいるか分かんねぇだろぉ
」 |
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彩女は無言のまま、癇癪玉を張りぼてに放り投げた。
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『ドーン』
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彩女 |
「
陽炎座?
香我美?
なんだいそりゃ
龍丸の命を奪った奴らと
組む気はないね
」 |
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